地方アンテナスナックが主催するオンラインイベント「なぜ、その生き方を選んだんですか!?」の最新回を、2025年7月27日に開催しました。ゲストは24歳のコーヒーロースター、鈴木亜聖さん。川口市出身で、新卒で「ARS COFFEE ROASTERS」を立ち上げ、地元の伝統を活かしたユニークな道を歩む彼のストーリーを深掘り。イベントは、参加者が自身の価値観を楽しく振り返る場となりました。
キャリアの選択に迷うあなたへ。この記事は、鈴木さんの人生ストーリーを通じて、情熱を追いかける勇気や、予想外のターニングポイントがもたらす可能性をお届けします。コーヒーの一杯が、人生をどう変えるのか。鈴木さんの言葉から、学び取ってみてください。
コーヒーとの出会い:高校生のアルバイトが人生を変えた
鈴木さんのコーヒー人生は、高校3年生のスターバックスでのアルバイトから始まりました。当時はコーヒーが飲めなかったという彼ですが、ラテアートに魅せられ、近所のコーヒーショップに豆を買いに行くようになります。そこで出会ったおじさんから、アジア最大のコーヒーイベントのチケットをもらい、そこで飲んだ一杯が運命を変えました。「美味しさに衝撃を受けたんです。それから、どんどんハマっていきました」。


大学進学後、スターバックスを辞め、スペシャルティコーヒー専門店「ALPHA BETA COFFEE CLUB」で働き始めます。ここで、全国のロースターの豆を比較試飲する経験が、コーヒーの奥深さを教えてくれました。続いてスペシャルティコーヒーを提供する小川コーヒー、そして六本木の「Common」では立ち上げから3年間携わり、シングルオリジンのコーヒーを提供。大学時代に2年間休学し、工場でロースター開発に没頭したのもこの頃です。

コーヒー歴は約7〜8年。鈴木さんは言います。「コーヒーの魅力は、味わいの探求が尽きないこと。美味しさを決める変数は誰とどこで飲むかまで広がって、美味しさの方程式はまだまだ見つかっていません」。
新卒独立の決断:怖さを乗り越えて、自分のフィロソフィーを貫く
大学卒業後、鈴木さんは就職ではなく独立を選びました。スペシャルティコーヒーのロースターとして、「ARS COFFEE ROASTERS」を立ち上げ。なぜ新卒で? 多くの人が思う疑問に、彼はこう答えました。「自分のフィロソフィー——『終わりなきおいしさイノベーション 楽しく未来を 溢れる幸せを』——に合う会社がなかったんです。探求を止めたくなくて、自分でやるしかないと思いました」。
独立は怖かったはず。でも、鈴木さんは「3年後じゃ遅い」と感じたそうです。地元・川口市の伝統産業、キューポラ鋳鉄(鉄を溶かす炉)が急速に減少しているからです。学生時代に工場で活動し、コーヒーロースターにこの鉄を使うことで、味の向上と地元の伝統保存を両立させるアイデアが生まれました。「コーヒー豆を焙煎するときに、ロースターの鉄素材もコーヒーの味に大きく影響するんです。おいしさを追求したら、地元の鉄にたどり着きました」。

今は、+NARU NIHONBASHIでコミュニティマネージャーとして働きながら、コーヒー事業を並行。シェアオフィスでの出展やイベントで収入を補っています。「2つの軸足を置くのがおすすめ。経済的な安定と、人脈作りを両立させるんです」。
気づきの瞬間:世界が広げる視野
最近のフランス旅行も、鈴木さんのキャリアに新たな視点を与えました。パリのコーヒーショップを訪れ、日本の文化が影響を与えていることに驚き。「個人的には日本のクオリティのほうが高いと思いました。でも、フランスのコーヒーショップは深夜2時まで運営されていたりとコミュニティの場として機能していて、コーヒーが人をつなぐ役割を再確認しました。そんな場所を川口市にも創っていきたい」。

未来への一歩:ボランティア募集を通じた仲間あつめ
直近の目標は、パブリックカッピング(コーヒー飲み比べイベント)の拡大と、地元でのコーヒースタンド開設。「1人でも多くの人に、おいしさを届けたい」。川口を盛り上げたい人、コーヒー好きのボランティアを募集中です。「コーヒー好きなら、川口も好きになるはず。ポテンシャルは清澄白河や下北沢並みですよ」。

地方アンテナスナックでは、こうしたトークイベントを定期開催。あなたのターニングポイントを探すきっかけに、ぜひ参加を!
以下に当てはまる方はDMをお願いします。
- 川口が地元、川口を盛り上げたい方
- コーヒー出展のお手伝いをしたい方
- コーヒーカッピングイベントのお手伝いをしたい方
