日本橋のオープンスペース「+NARU NIHONBASHI」、施設運営スタッフ募集
誰でも自由に過ごせる、カフェでもコワーキングでもない場所
東京メトロ三越前駅から少し歩いた昭和通り沿いに、外から中がまるごと見えるガラス張りの場所があります。平日のお昼どきに前を通ると、ノートパソコンを開いている人、お弁当を広げている人、コーヒー片手に立ち話している人——それぞれが思い思いの距離感で過ごしている。スタッフはカウンターの内側にじっと立っているというより、フロアのあちこちで誰かと言葉を交わしている。屋内なのに、どこか公園のような空気が流れている場所です。

初めて見た人は「コワーキングかな?カフェかな?」と思うかもしれません。でも、そのどちらでもない。ここは平日の日中、誰でも無料で使えるオープンスペースで、お客さんは自由に入ってきて、好きな席に座って、思い思いに過ごして、いつの間にか帰っていく。店員が注文を取りに行くわけでも、受付で利用目的を確認するわけでもない。それでも、場所として自然に成り立っている。
ただ、だからこそ、この場所で働く人の役割は少し独特です。
待っているだけでは、人と人のあいだに何も起きないまま一日が終わってしまうこともある。今回募集している施設運営スタッフは、そんな場所で、自分から関係のきっかけをつくっていく役回りなのだそうです。
カフェでもコワーキングでもない。「コミュニケーションスタッフ」と呼ぶわけ
注文があればコーヒーは出します。でも、ここはカフェではないので、「ご注文をお伺いします」「ありがとうございました」というあの定番のやり取りが前提になっている場所ではありません。
では、この場所で働く人は、何をする人なのか。
その答えを考えるうえで印象的だったのが、取材の冒頭でのある言い直しでした。
「今回募集するのは、+NARUのコミュニケーションスタッフ……いや、施設運営スタッフですね」
募集書類に載っている職種名は「施設運営スタッフ」。けれど、+NARUのなかでは、この仕事を「コミュニケーションスタッフ」と呼んでいるそうです。ふだん使っている呼び方が、思わず先に口をついて出た。そんな言い直しでした。
なぜ、わざわざそう呼ぶのか。
それは、来館者と積極的にコミュニケーションを取り、関係を築き、そこからコミュニティを育てていくことが、この仕事の中心にあるからです。
施設を管理するだけではない。
人と関わり、場に関係性を生み出していく。
あの一瞬の言い直しに、この仕事の重心が、施設管理よりも人との関係づくりにあることが、ちらっと覗いた気がしました。

そもそもこの場所がどんな目的で作られたかというと、日本橋で働く人たちが、この街にもう少し愛着を持てるような「居場所」をつくる、というのがもともとの構想なんだそうです。日本橋のまちづくりの一環として生まれた場所で、今回募集するスタッフは、その入り口に立つ役割でもあります。
朝11時から、自分からきっかけをつくりに行く一日
一日の流れも聞きました。朝11時に出勤して、まずは来場者を迎え入れる準備から。テーブルを拭いたり、椅子を元の場所に戻したり。そこからランチタイムにかけてが、一日でいちばん混む時間で、日本橋で働く人たちで席が埋まる。お客さん対応をしながら、注文が入ればコーヒーを出します。
合間には、+NARUオリジナルの仕掛けがいくつか走っているそうです。たとえば「NARUラジオ」は、最近の+NARUや日本橋まわりのニュースを5分ほど流す、館内限定のミニ放送です。

「コーヒーブレイク」は、人がいるタイミングで15分だけ手を休めて、コーヒーを淹れて来てくれた人に振る舞う時間。どちらも、注文を待つのではなく、スタッフの側から場をひらいていく仕掛けです。

その合間に、SNSの更新、施設に届いた問い合わせへの返信、消耗品の発注といったバックヤード寄りの仕事も入ってくる。落ち着いている時間に、これらをこなしていくそうです。
ただ、話してくれた方の捉え方では、、こうした一つひとつの仕事が「コミュニケーションの小さなきっかけをつくること」につながっているのだそうです。片付けも、ラジオも、コーヒーも、SNSも、結局は人と人のあいだに何かが起きるための準備として見るかどうかで、まったく違う仕事になる、という話でした。待つのではなく、こちらから小さくきっかけを置いていく。それが、この場所の一日の正体みたいです。
誰にでも興味が持てるかどうか
どんな人が向いているのかについても、話を聞きました。意外だったのは、「明るいとか、話し上手っていうことは、そこまで重要ではない」とはっきり言い切っていたところです。求人だとつい「明るく元気な方歓迎!」と書いてしまいがちですが、ここではそれが採用の基準になっていない。
じゃあ何が大事なのかというと、「コミュニケーションを取ろうとする姿勢」だそうです。自分から働きかけること。特定の好きな人とだけ話すのではなく、みんなに均等に関わっていけること。「どんな人でも一回話してみよう」と思える人は向いている、と教えてくれました。
うまく喋れるかどうかより、まず一歩踏み出してみるかどうか。話を聞いていて、ハードルの置きどころが、世間でイメージする「接客が得意な人」とはずいぶん違う場所にあるんだな、と感じました。明るさや話術ではなく「自分から働きかけられるか」が問われるのは、たぶんこの仕事の先にあるのが、来館者と関係を築いてコミュニティを育てていくことだからなんでしょうね。
決まった正解より、自分でやり方を考えていく
その代わり、と言うべきか。+NARUは日々オペレーションが変わる場所で、マニュアルはなく、自分でやり方を作っていく必要があるそうです。だから、向いていないかもしれない人についても率直でした。「決まったことだけやりたいって人は、難しいかもしれない」とのことです。
新しいオペレーションが加わったときに、そこで立ち止まりすぎるよりも、「じゃあ次はこうしてみよう」と自分なりにアレンジを考えられる人。そういう人のほうがフィットするんだろうな、というのが、話を聞いていて感じたことでした。

とはいえ、全部を一人で抱える仕事ではないみたいです。スタッフ同士で「あのお客さんとはどう関わればいいか」「今度どんな仕掛けをしてみるか」といった話を日常的にしているし、困ったときは他のスタッフが教えてくれる。現場には責任者のディレクターもいて、聞けば返してくれる。多様なキャリアを持った人が集まっていて、それぞれ得意分野も違う。「今日はあの人とこんな話ができた」をチームで持ち寄りながら進めていく、という空気でした。
場をひらいた先で、関係が育っていく
自分から場をひらく、と書くと骨が折れそうに聞こえますが、その先に育つものの話を聞くと、少し印象が変わります。仲良くなったお客さんとプライベートで遊びに行くスタッフもいるそうですし、+NARUで企画している取り組みに利用者を巻き込んでいくこともある。最初は施設の利用者として来ていた人が、いつの間にか企画する側に回っていたりもする。そういう関係性が、ここでは自然に発生していくみたいです。最初に聞いた「コミュニケーションスタッフ」という言葉の意味は、きっとこういう場面に表れているのだと思いました。
面白いのは、それがお客さんとの間だけの話ではないところです。スタッフ自身も、自分が気になる日本橋の場所を巡ってみたりするそうで、働いているうちにこの街との距離が縮んでいく。最初は「職場のある街」だったところに、いつの間にか馴染みの店や顔見知りが増えていく。場をひらく側に立っているうちに、自分にとっての日本橋がただ通うだけの街ではなくなっていく——そんな手触りのある仕事に見えました。
まずは一度、遊びに来てもらえたら
最後に、「+NARUは平日日中、無料で使える場所なので、一度遊びに来てもらえると嬉しいです」と話してくれました。
仕事として続けられそうかどうかは、実際にあの場所に立ってみて、スタッフや常連の方と少し話してみると、イメージしやすいかもしれません。「待っていても何も起きない」「自分から場をひらく」という言葉の意味も、ガラス張りの向こうにいる人たちの様子を見ていると、少しずつ実感できるかもしれません。応募する前に、まずはお客さんとして一度行ってみる。それが、たぶんいちばんおすすめの入口です。
募集要項
- 職種
- 施設運営スタッフ
- 求人形態
- アルバイト
- 業務内容
- 施設利用者とのコミュニケーション業務
- 上記の業務をもとに、「どうしたら利用者の方とのコミュニケーションを促進できるか?」という点の施策検討
- コミュニケーション促進のための日中の企画運営
- レジ業務
- ドリンク業務
- 場所貸しの際の現場対応業務
- イベント受付・サポート業務
- 施設の整理整頓や植栽への水やり、告知物の張り出し対応
- 必須スキル
- 基本的なPCスキル
- 歓迎スキル
- 給与
- 時給1,300円
- 勤務地
- +NARU NIHONBASHI
- 特典・福利厚生