バブルの夢と現実：東京での10年を経て
秋田県にかほ市の佐藤さんは小学校高学年の時に、父の転勤でにかほ市に来て、高校卒業まで過ごします。その後、進学して千葉に移り、大学生活を送り、就職も東京を選択。仕事にもなれてきたころに、次第に都会の生活が自分には合わないと感じるようになりました。
「若い頃はバブルの匂いがする東京になにかチャンスがあるんじゃないか、面白いことがころがっているんじゃないかと感じていましたが、けっきょくなにかを仕掛けていかないことには始まらない。このまま東京にいても埋もれてしまう」という思いから30歳手前で実家に戻ります。
地元での挑戦：イチジク栽培と地域ブランド化
実家に戻ってからは、まずは実家の酒屋を手伝うことから始めました。時代の流れから地方の酒屋だけしているようではだめだと考え、自分自身のプロジェクトを始めることを模索しました。その時に出会ったのがイチジクです。イチジクはこの地域でも栽培されていましたが、まだまだ知名度が低く、加工品としての販売もほとんど行われていませんでした。
イチジクの栽培と加工を始めた当初は、売り上げがなく、試行錯誤の日々。収穫時期に合わせた販売計画や、加工方法の研究など、全てが手探りの状態。しかし、地道に目の前のことに取り組むことで少しずつ結果が出始めました。
特に秋田県庁のある職員さんと出会い、その方が佐藤さんの取り組みをおもしろがったことで状況が好転しはじめました。地域の農家や行政がタッグをくみ、にかほ市全体でいちじくを特産品として育て始めることになります。
地域活性化への思いと今後の展望
現在では、佐藤さんはイチジクの加工品を全国に販売するところまで来ています。また、地域のイベントや交流会にも積極的に参加し、地域全体で盛り上げている最中です。
さらに、農家の数も少なくなってきているため、佐藤さんは農家の担い手を増やしていくことも考えています。専業でできる人を募集するとハードルが高くなりますが、「兼業でいちじく農家をやってみませんか？」というアプローチで、さまざまな方法で農家を増やしていこうと奮闘中です。
佐藤ママからのコメント
どこに住むかを考えるなら、自分の気持ちに正直になることが大事だと思いますね。どんな暮らしをしたいのか考えて、それに合う地域で住むのが一番。僕がいる大竹地区は宴会でのコミュニケーションがスタート地点になるから、呑めなくてもそういう場が好きだったりすると居心地がいいと思います。
にかほ市おすすめ3選
